目次
  1. 耐荷重と床荷重
  2. 段積みとネステナー
  3. ネステナーを持つ倉庫を選ぶメリット

耐荷重と床荷重

荷重(かじゅう)は重量とほぼ同じ意味で、いわゆる重さのことです。耐荷重とは、そのものが耐えられる重さを指します。身近な例では椅子や机が思い浮かびますが、耐荷重を超える人や物が上に乗ると壊れてしまうこともあります。耐荷重は、素材や構造から計算された安全なラインを示しているのです。

物流業界で耐荷重(積載重量とよく言われます)が出てくる代表的なものといえば、トラックや海上コンテナです。4トントラック、10トントラックなどはそれぞれトラックの後ろに記載されている重量までしか荷物を積み込むことができません。また、海上コンテナの扉にはMAX GROSS WEIGHT 30.48トンの記載があります。コンテナ自体の重さ(TARE WEIGHT)と貨物重量を足した重量が30.48トンを超えないようにという意味で設定されています。この重量はコンテナ自体が壊れてしまうというわけではありませんが、船が傾いたり沈んだりすることなく安全に航海できるように、SOLAS条約で取り決められているのです。

では、荷重という考えは建物にも適用されるのでしょうか?

1m×1mの床にかかる重さや力を積載荷重や床荷重といいます。これは、建物や部屋の用途によって異なり、それぞれの荷重は建築基準法で決まっています。ここではイメージしやすいように、いくつか身近な例を挙げてみましょう。

・住宅・・・180kg/㎡

・教室・・・230kg/㎡

・事務所やお店の売り場・・・290kg/㎡

普段はあまり意識をしていませんが、より多くの人が集まることが想定される場所ほど、大きい床荷重をクリアした建物となっているのがわかります。なお、これは最低限満たすべき条件となりますので、実際の建物の床荷重はもっと大きくなるように作られています。

では、倉庫の床荷重はどうかというと、約400kg/㎡以上と建築基準法で定められています。倉庫で床に加わる力といえば、貨物やパレットのほか、フォークリフト等のオペレーション機械、作業する人々の重さなどがあり、それらを考慮すると400kg/㎡では力不足となる場合もあり、近年は1.5トン/㎡の倉庫が主流になっており、それ以上の力に耐えられる倉庫も多く存在します。特に建築資材など重量の大きいものは、床荷重に気を付ける必要があります。

床荷重は建物の設計時に決めるので、倉庫毎に異なります。倉庫を探そうと思ったとき、床荷重は検査証をもとに知ることができます。しかし、重量だけを聞いて貨物がどのように積むことができるかを思い浮かべるのは難しいので、パレットを何段積みまでしているか、1パレットの最大重量はどのくらいかを確認するとよいでしょう。

日本では1m×1mのパレット(イチイチパレットと呼ばれます)が使用されることがほとんどなので、例えば4段積み、1パレット200kgの場合には、床荷重800kgの倉庫ということになります。

段積みとネステナー

(段積みのイメージ/写真:iStock)

倉庫では限られたスペースでたくさんの貨物を保管するために、床荷重を超えない量をいかに効率的に積み上げるかが肝になってきます。

ケース(段ボール)の貨物の場合には、貨物を直に重ねていく段積みが有効です。なるべく同種類の貨物を積むことで、箱が破損したり荷崩れを起こしにくくなり、効率よく積み上げられます。段積みの方法としては、全てを同じ向きにするブロック積み、一段ごとに90度向きを変える交互列積み(インターロック積み)、中に空洞を作るピンボール積み等があります。

貨物が安定することを第一に、そして数やラベルが確認しやすいように貨物に応じて積み方を使い分けます。2段目以上には巨大なラップを巻いて崩れないように固定するのが一般的ですが、それでも直積みで重ねられる段数はそれほど多くはありません。

現在、倉庫で実際に保管されているケースものの貨物は、パレットに載っているものがほとんどです。入出庫作業において、コンテナやトラックの着く場所(バース)までフォークリフトで移動する際にあらかじめ貨物がパレットに載っていると作業がスムーズです。

また輸入貨物は海上コンテナでばら積みされていることもありますが、荷降ろししてから倉庫に保管してあるパレットを使用してパレタイズ(パレットに貨物を積む作業)を行うことがほとんどです。USパレット(1.2m×1.2mサイズ)で輸入された貨物も、日本の倉庫での規格に合わせたほうが保管しやすいため、イチイチパレット(1m×1mサイズ)に積み直します。

このようにパレタイズしたパレットを平積みすることも可能ですが、下のパレットを取り出すのに時間がかかってしまったり、フォークリフトでの余分な移動は貨物にダメージを与えるリスクを増やしかねません。そんな時に保管スペースを増やし、荷役効率を上げるために、倉庫では「ネステナー」と呼ばれるラックを使用しています。

(ネステナー/写真:iStock)

これは特に天井の高い倉庫の場合には重宝します。ネステナーとは画像のような形のラックで、フォークリフトを使って移動させることができ、2〜4段まで積み上げて使用することができます。ネステナーを使うとそれぞれの段にフォークリフトでパレットを出し入れできるのでスムーズです。

同じようにパレット貨物を積み上げて保管する方法としてパレットラックがあります。こちらは組み立てて固定されてしまうので倉庫内で置き場を変えるレイアウト変更はできないため、頻繁にレイアウト変更が生じるような倉庫では、パレットラックよりもネステナーのほうが利点が大きいでしょう。

またネステナーは、使用しない時は重ねて一ヶ所に纏めておくことができるため場所をとりません。年間を通して物量の変動があるような倉庫では、貨物量が多い時期には高く積み上げ、少ない時期には重ねておくなど応用が利きます。貨物が少ないときにはネステナーを使用しない、または少ない段数で抑えておけば、フォークリフトを扱う際にもパレットを扱いやすく、全体の貨物量の把握もしやすいです。

ネステナーには、荷物を置く格子状の面の位置によって、正ネステナーと逆ネステナーがあります。

正ネステナーは、格子面が下にある形をしています。そのため、パレットを載せたままフォークリフトでネステナーを移動できる点が便利です。

逆ネステナーは格子面が上にあるので、一つのネステナーで2つのパレットを収納することができます。また、積み上げた状態での高さが正ネステナーよりもやや低くなるため、天井の低い倉庫にとっては使いやすいです。ただし、パレットを載せたままフォークリフトでの移動はできないので、レイアウトを頻繁に変更したい場合は正ネステナーでの使用が好ましいでしょう。正ネステナーはネストップという格子面を上から被せることで、上にもパレットを置くことができます。

ネステナーの耐荷重は一般的に一段あたり1,000kgです。パレットのサイズは1㎡であることを考えると、4個積み上げた場合には最大4,000kgの貨物を積めることになりますが、床荷重を考慮して使用する必要があります。

ネステナーを持つ倉庫を選ぶメリット

ネステナーを使用すると貨物の保管効率が格段に上がります。しかし、全ての倉庫がネステナーを所有しているとは限りません。持っていない場合には新たに調達する必要があり、別途コストがかかってしまいます。

倉庫で貨物を保管してもらう際には、貨物量に応じて保管料がかかります。保管料の算出はケース数をベースとする個建て、もしくは坪貸し(一坪は約3.3㎡)が一般的で、近年の坪単価の平均は4,000円〜7,000円/月程度となります。やや割高に感じる方もいるかもしれませんが、床面積で借りるので上の空間の分も単価に含まれています。全ての借主が、常に保管可能な高さいっぱいまでの貨物を預けているわけではないので、倉庫としてはデッドスペースが生まれている状態となります。このデッドスペースに対しても一律に坪単価の請求がされているわけです。

ネステナーを所有している場合には、倉庫にとってはパレット単位で貨物を管理し、倉庫全体の貨物量によってレイアウトを変更しながら保管することで、たくさんのお客様の貨物を効率よく保管することができ、結果的に坪建てよりも安価な料金設定になる可能性が高まります。

こうしてみると、倉庫を選ぶ際には、ネステナーを既に所有しているかどうかもポイントになってきます。株式会社soucoでは、全国1,500超拠点(※2022年6月時点)の登録倉庫から、保管する荷物によって最適な倉庫とサービスプランをご提供します。倉庫のことならどんなことでもお気軽にご相談ください