倉庫の広さは通常「坪数」で考える
倉庫の広さはメートル法の平方メートルではなく、尺貫法の「坪数」で考えるのが基本です。坪とは、日本古来の尺貫法による単位で、日本では長年にわたって面積を表す単位として使用されていました。現在は、面積の単位はメートル法に統一されていますが、長年にわたる日本の商慣習により、倉庫や土地建物などの面積の単位は今でも坪が使われています。
それでは、1坪とはどれ位の広さなのでしょうか?
1坪はおおよそ畳2枚分の広さで、6畳の部屋だと約3坪になります。
トランクルームの場合だと、床面積が1坪で高さが2.1メートルほどあれば、宅配140サイズ(3辺合計が140センチ)のダンボールだと、70個程度を収納できます。
なお、倉庫や建物の面積は床面積や延床面積、建築面積、敷地面積などいろいろあり、これらの面積の違いは後半で詳しく説明します。
●坪を平方メートルに換算するには?
(写真:iStock)
1坪は約3.30578平方メートルで、1平方メートルは約0.3025坪です。
坪を平方メートルに換算する際、3.3を掛けたり割ったりして計算することが多いですが、倉庫業を含む不動産業界では0.3025を使って次のように計算します。
・計算例
[100平方メートルを坪数に変換する場合]
100平方メートル×0.3025=30.25坪 100平方メートルは30.25坪
[100坪を平方メートルに変換する場合]
100坪÷0.3025≒330.57平方メートル 100坪は330.57平方メートル
平方メートルを坪に変換する際は、平方メートルに0.3025を掛け、坪を平方メートルに変換する際は坪数を0.3025で割ると覚えておきましょう。なお、小数点以下は2桁までを表示して、3桁以下は切り捨てにすることが多いです。
●坪表記の注意点
先述したように、現在はメートル法で面積を表記するため、売買契約書や賃貸借契約書に記載する面積は、坪ではなく平方メートルで表示します。そもそも不動産登記簿では平方メートルで面積が表示されているので、売買契約書や賃貸借契約には登記簿に表示されている面積を平方メートルで表記するのが原則です。ただし、公簿売買ではなく実測売買をする際は、平方メートルで表示した横に括弧書きで坪単価を表記することがあります。
なお、不動産のチラシやパンフレットなどで、物件の面積を平方メートルで表示した横に括弧書きで坪数を表示しても問題はありません。
倉庫を借りる際の坪単価とは?
倉庫を借りる際の賃料は、延床面積1坪あたりの賃料である「坪単価」が設定されており、坪単価を比較して借りる倉庫を決めるのが一般的です。
坪単価に倉庫の延床面積を掛けて算出した金額が月額賃料になります。
例えば、延床面積が60坪の倉庫で、賃料の坪単価が4,000円の場合だと、賃料は240,000円になります。これに消費税の24,000円を加えた264,000円が月額賃料です。
倉庫の賃料の坪単価は地域によって異なり、東京23区の場合だと、中央区や港区などの貸倉庫の坪単価は10,000円以上、葛飾区や北区の貸倉庫の坪単価は6,000円程度が相場です。
神奈川県では約4,000円〜6,000円程度、埼玉県では3,500円~4,500円程度が相場で、首都圏で貸倉庫を借りる際は、坪単価4,000円〜10,000円以上の賃料がかかることが想定されます。
なお、これはあくまでも相場であり、築年数が経過している倉庫だと坪単価は低くなる場合もあり、築浅の状態が良い倉庫は坪単価は高くなる傾向があります。
●営業倉庫に荷物を預ける際の坪単価
営業倉庫に荷物を預ける際は、倉庫保管料がかかります。倉庫保管料は「個建て」「坪建て」「パレット建て」「重量建て」「容積建て」などの料金体系があり、営業倉庫を坪ベースで使用する際は坪単価で計算します。
なお、坪建てで契約をする際は、実際に使用した坪数の料金をその都度請求する「使用坪契約」と、使用する坪数を固定しておく「固定坪契約」があります。
例えば、坪単価5,000円の営業倉庫を20坪借りる固定坪契約で3ヶ月間荷物を預ける場合の保管料は300,000円になります。(5,000円(坪単価)× 20坪 × 3ヵ月 = 300,000円)
ここでは、3ヵ月間借りるものとして計算していますが、営業倉庫を借りる際の寄託契約では1ヵ月単位ではなく、3期制で保管料を計算することが多いです。3期制だと、1ヵ月を「1日〜10日」「11日〜20日」「21日〜末日」の3期間に分けて保管料を計算します。冷蔵倉庫では、1ヵ月を「1日〜15日」「16日〜末日」の2期間に分ける2期制で保管料を計算することもあります。
営業倉庫の倉庫保管料の平均相場は坪単価4,000円〜7,000円程度です。荷役料(入出庫料)や雑作業料(ピッキング料や梱包料など)といった費用は必要に応じて別途かかります。営業倉庫を使用する際は、トータル金額がいくらになるのかを確認することが大切です。
ご参考までに、当社では倉庫を短期利用できるサービスを提供しており、1日単位の荷物量で保管料が計算される従量課金制を採用しています。ダンボール1個からお預かりが可能で、ダンボール1個なら1日10円、入出庫料1回40円でご利用いただけます。
敷地面積と延床面積の違い
(写真:iStock)
倉庫を借りる際は、「敷地面積」「土地面積」「倉庫面積」「フロア面積」「延床面積」などの違いを理解しておきましょう。特に、敷地面積と延床面積の違いを知っておくことが重要です。
●敷地面積(土地面積)
敷地面積は土地面積と呼ばれることもあり、土地全体の広さを指します。倉庫の場合だと、倉庫が建っている部分の土地だけでなく、駐車場やバースと呼ばれる車両が接車するエリアなどを含めた土地全体の広さになります。敷地面積が狭いと車両を置けるスペースが足りなくなったり、入出庫作業に支障を来したりするので、ある程度の余裕を確保しておくことが大切です。
●建築面積
倉庫では建築面積という用語も使われますが、建築面積とは倉庫を真上から見たときの面積(水平投影面積)を指し、一般的には1階部分の床面積が建築面積になります。なお、建物の地下に広大な地下室がある場合でも、地下部分は建築面積に算入しません。土地全体を指す敷地面積から、倉庫が建っている部分を指す建築面積を差し引いたものが、駐車場や車両を置ける実際のスペースになります。
●床面積
床面積はフロア面積と呼ばれることもあり、各階の壁または柱で囲まれた部分の面積を指します。例えば、2階建て事務所付倉庫であれば、1階床面積○坪、2階床面積○坪のように表現します。
●延床面積(建物面積・倉庫面積)
延床面積は建物面積や倉庫面積と呼ばれることもあり、各階の床面積の合計を指します。
2階建て事務所付倉庫であれば、1階の倉庫の床面積が5坪で、2階の事務所の床面積が5坪の場合だと、延床面積は10坪になります。延床面積は住宅だと居住空間、倉庫だと荷物を置く空間になります。事務所付倉庫だと、事務作業をしたり荷物を置いたりする空間になり、延床面積は倉庫を選ぶ際の重要な要素です。倉庫の場合、延床面積が狭すぎると、荷物を置くスペースが不足したり、作業員やフォークリフトの通路を確保できなくなったりするので注意が必要です。倉庫を借りる際は延床面積をチェックして、広さに余裕のある倉庫を選びましょう。
ここまで、敷地面積と延床面積の違いなど、倉庫の面積について説明してきました。
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