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温度管理が必要な倉庫の選び方
倉庫選びのポイント

温度管理が必要な倉庫の選び方

目次
  1. 倉庫には大まかにわけて2つの種類がある
  2. 温度管理が必要な倉庫の種類
  3. 温度管理に必要な4つのポイント

倉庫には大まかにわけて2つの種類がある

倉庫は、所有物や商品などの有形物品を保管・貯蔵するための設備です。倉庫のことは知っていても、実際に利用したことはない方が多いのではないでしょうか。

さて、倉庫には2つの種類があり、「自家用倉庫」と「営業倉庫」にわけることができます。

自家用倉庫とは、所有者や借り主が自身の製品や荷物を保管・貯蔵するために使用する施設のことです。例えば、物販業を営んでいる場合、大量の在庫を保管するための大きな施設が必要になります。少量であればオフィスに置いておくこともできますが、面積が限られるため、オフィスでの管理が難しいケースも珍しくありません。このようなときに、自社で導入したり、借りたりする施設を自家用倉庫といいます。営業倉庫に比べてコストが安いため、初期費用やランニングコストを抑えられる点が大きなメリットです。また、自社の敷地内に設置されるケースが多く、倉庫への行き来がしやすく、各部署への配送時間を短縮できる点も魅力です。

ただし、国からの登録を受けていないため、不適切な管理によって不利益を被る可能性もあります。また、日本は地震大国といわれており、すべての企業が災害に対するリスクを保有しています。万が一、災害が発生し保管しているすべての商品を失ってしまった場合、企業が受ける損失は甚大です。自家用倉庫の中には災害に対して考慮されていないものも多く、BCP対策として不十分であるとも言えます。

一方、営業倉庫は国土交通大臣から登録を受けた倉庫のことです。厳しい審査基準をクリアした施設のみ登録を受けることができるため、非常に安全性が高いという点がメリットですが、物品を預ける寄託契約を結ぶことになるためランニングコストがかかります。

温度管理が必要な倉庫の種類

倉庫を使用する場合に考えなければならないのが温度管理です。保管する物資の性質により、適切な温度管理が必要となる場合があります。

(写真:iStock)

温度管理が必要なのは食品だけに限られた話ではありません。例えば、精密機器の中には、高温の場所で保管すると品質を保つことができないケースもあります。このように、それぞれの製品で適切な温度が決められているケースが多いため、それに合わせた管理が求められます。製品の品質保持のためにも、正しい温度管理ができる倉庫を選択し、適切な保管をすることが必要です。

温度管理ができる倉庫の種類は大まかにわけて4つです。それぞれの種類の基本概要や特徴などについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

◎常温倉庫

常温倉庫とは、その名の通り温度管理が行われない倉庫のことです。冷やされたり、温めたりしないため、外の温度と比例します。そのため、夏の季節は温度が高くなりやすく、冬は低くなりやすいのが一般的です。

特徴としては、温度管理を行わないため、電力などのコストがかからないことから、安価で利用することができます。また、特殊な設備が導入されていないため、さまざまな広さの倉庫が提供されている点も特徴です。そのため、選択肢が多くあり、製品の数に適した倉庫を見つけやすいでしょう。

常温倉庫で管理することができる製品は、外気の温度や変化に影響を受けづらいものです。例)

・金属製品

・陶器製品

・建築資材

・温度管理が不要な機械部品

・紙製品

・瓶

◎低温倉庫(定温倉庫)

低温倉庫とは、温度が一定に保たれている倉庫のことです。一般的に10℃以下の倉庫は冷蔵倉庫や冷凍倉庫に区分されるため、10〜20℃程度に保たれている倉庫と考えて良いでしょう。年間を通して一定の温度に保たれているため、季節による温度変化の影響を受けません。また、温度が低すぎないという点も特徴です。そのため、10℃以下の低温が苦手な荷物を保管する際にも向いているといえるでしょう。

基本的には結露に弱い製品や温度変化により品質が下がるものを保管する際に最適です。具体的には下記のような保管物を挙げることができます。

・温度変化によって鮮度が変わる食品

・低温に弱い化粧品

・低い温度で管理すると傷んでしまう薬品

・結露に弱い精密機器

◎冷蔵倉庫

冷蔵倉庫とは、10℃以下の温度で管理されている倉庫のことです。温度の下限がないため、後述する冷凍倉庫も冷蔵倉庫に含まれます。

(写真:iStock)

冷蔵倉庫は、保管温度差により大まかにわけて下記の7つの階級に分類されるのが一般的です。

・C3級 温度:10℃〜-2℃

・C2級 温度:-2℃〜-10℃

・C1級 温度:-10℃〜-20℃

・F1級 温度:-20℃〜-30℃

・F2級 温度:-30℃〜-40℃

・F3級 温度:-40℃〜-50℃

・F4級 温度:-50℃以下

C1級〜C3級は、一般的にチルドといいます。一般家庭の冷蔵庫にもチルドがあるため、比較的親しみのある言葉ですが、家庭用の冷蔵庫のチルドは0℃で維持されているため、営業倉庫の冷蔵倉庫とは温度が異なります。また、F1級からF4級までの冷蔵倉庫はフローズン級といわれることが多いです。後述する冷凍倉庫がそれに当たります。

冷蔵倉庫を利用するメリットは、商品の品質を保てることです。冷蔵倉庫は階級ごとに低温で管理されているため、外気の影響を受けません。これにより、新鮮な状態で食品などをお客様のもとに届けることができます。

しかし、冷蔵倉庫は低温倉庫と同様に、温度調整システムや24時間の監視体制が必要になり、設備費や電気料金のほかにも人件費がかかるため、コスト高になります。

冷蔵倉庫の中は温度が低いため、その環境に慣れた人材でなければ中で作業することが難しく、また、外気の温度差がかなりあるため、作業員の負担は非常に大きくなることも知っておきましょう。

冷蔵倉庫の保管に向いているものとしては下記のようなものが挙げられます。

例)

・野菜

・果物

・乳製品など

基本的に冷蔵倉庫に保管するものは食品が多いです。

◎冷凍倉庫

冷凍倉庫とは、冷蔵倉庫の箇所で説明した通り、F1〜F4までのフローズン級の冷蔵倉庫のことです。-20℃以下で管理されており、F4は-50℃以下になります。

冷凍倉庫は、基本的に下記のようなものを保管する際に使用されるのが一般的です。

・冷凍食品やアイスクリーム(食品はF1及びF2で管理されることが多い)

・冷凍マグロなどの魚介類(F3〜F4の極低温倉庫で管理される)

温度管理に必要な4つのポイント

温度管理を適切に行うために意識したいポイントは4つです。温度管理が正しく行えていない場合、品質が下がったり、廃棄につながったりするので、ポイントをこの機会に把握しましょう。

(写真:iStock)

◎冷房の位置によって温度が変化する

1つ目のポイントは、冷房の位置によっても温度が変化するという点です。例えば、お部屋のエアコンを想像してみてください。エアコンの冷気が直接当たる部分は、ほかの場所に比べて低温になりやすいです。一方、窓際やエアコンから離れた場所は、外気の影響を受けやすく冷気も当たりづらいため、温度が高くなりやすいでしょう。

◎屋根の下は温度が高い

2つ目のポイントは、屋根の直下は温度が高くなりやすい傾向があるという点です。

営業倉庫は温度管理を徹底するために、外気の影響を受けづらい環境を構築しているケースがほとんどです。しかし、自社倉庫で管理している場合、外気の影響を受けるところに商品を置かざるを得ないケースも珍しくありません。

特に、屋根の下は日光にもっとも近い部分です。3階など階数が高くなればなるほど、温度が上昇しやすくなります。常温保管の商品でも温度が気になる場合は屋根直下で保管するのは避けるようにしましょう。

◎ネステナーの上段に注意する

3つ目のポイントは、ネステナーの上段に保管物を置く際は注意したほうがいいという点です。屋根の直下に保管するときと同じ理由で、ネステナーの一番上の段は温度が高くなりやすいため、高温によって品質が下がる製品を保管する際は、できるだけ避けるようにしましょう。

◎温度計を確認する

4つ目のポイントは、温度計を確認することです。倉庫によっては、温度計を設置しているところもあります。特に、品質管理が必要な商品の保管を営業倉庫に委託する場合には、どのように温度管理が行われているのかチェックしておきましょう。

今回は、温度管理が必要な場合の適切な倉庫スペックに関するテーマでご紹介しました。長期保存や品質を維持させるためには、適切な倉庫で温度管理をすることが求められます。自社製品の保管に適切な温度を事前に知り、それに合った倉庫を選択して保管するようにしてください。

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