「新規でEC事業を立ち上げたい」「新しく自社製品を倉庫へ預けることになった」など倉庫見学の目的はさまざまですが、倉庫を知るには現場を見るのが一番。物流業務に興味をお持ちならば、倉庫見学に参加されることをおすすめします。
せっかく貴重な時間を使って見学に行くのですから、ただ見るだけではなく、自分なりの基準や見るべきポイントを確認しておきましょう。
本記事では、倉庫見学をする際に重要なポイントについて、いくつか事例を紹介しながら解説します。
まずは倉庫の外に荷物が溢れていないか確認
見学をする倉庫に到着したら、周辺の様子もチェックすべきポイントです。まずは倉庫の外に荷物が溢れていないか確認しましょう。
外に置かれた荷物は、雨や風に晒され傷つく恐れがあります。商品が外にまで溢れている倉庫は、計画的な荷物の受け入れ体制が整っていないかもしれません。
ただし、作業工程の途中で一時的に外に置いている可能性もあります。気になった場合は、遠慮せず担当者に確認するようにしましょう。
次に倉庫内の環境をチェック
倉庫周辺をチェックした後は、倉庫内の環境を確認しましょう。
パレットやカゴ台車が乱雑に置かれていないか
パレットやカゴ台車などの備品の扱われ方も重要なポイントです。
整理されたパレットは綺麗に面を揃えて積まれています。しかし、大きさの異なるものや破損したものを一緒に積んでいる場合、崩れる可能性があり非常に危険です。
このような倉庫は安全対策への意識が低く、作業スタッフへの安全に対する教育が不十分である可能性があります。
倉庫内が清潔に保たれているか
5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)活動について実践されているか確認しましょう。
ポイントしては
- 全体的に整頓されているか
- 作業台は整理されているか
- 備品の管理はできているか
などです。
整理・整頓が行き届いている作業台は作業効率を上げ品質向上に繋がります。綺麗な作業台は作業スタッフはもちろん、社外の人が見ても非常に気持ちの良いものです。
また、備品の管理も非常に重要。備品が整理されていれば、作業品質のムラを抑えられます。
非常口や防火シャッターの近くに障害物が置いてないか
非常口や防火シャッター周辺もよく見ておきましょう。非常口の周りが整理されていないと、万が一の事故が発生したとき、避難の妨げになります。
また、防火シャッターの下に障害物があると火災発生時にシャッターが完全に降りず、延焼を招きます。安全設備は人の命に関わる部分なので、特に重要な確認ポイントです。
スタッフの教育や作業の仕方も見よう
大切な商品を預かっている倉庫業務では、倉庫内外の環境だけではなく、作業スタッフへの教育や業務工程も重要です。
挨拶してみましょう
現場のスタッフに挨拶してみましょう。
ちょっとした挨拶で、その現場のスタッフに対する教育の程度が想像できます。商品を預かっているという意識がどれくらいあるかを確認できるポイントです。
入荷~出荷まで一連の業務工程
倉庫見学では商品の入荷から出荷までの流れを近くで確認することができます。
以下のポイントに着目するとよいでしょう。
- どのように入荷し、在庫を保管しているか
- ピッキング業務は適切か
- 検品及び梱包作業は丁寧に行われているか
- 出荷はどのような作業フローで行われているか
作業ルールが徹底されているか
現在の物流業界は、一昔前のような「仕事は盗んで覚えろ」は時代遅れ。それぞれが独自のルールで動いていては思わぬ事故を招きかねません。作業品質を一定以上保つためにも、ルールを定めたマニュアルが必要です。
マニュアルが整備されているか、指示通りに動いているかも確認ポイントといえます。
ミスを未然に防げるよう対策されているか
ミスを未然に防ぐ体制ができているかも重要なポイントです。ひとつの現場で同じ人が永久に働けるわけではありません。定期的に業務内容に関する講習会や勉強会を開いているか確認してみましょう。
また、法律などの改正により現場のルールが変化することもあります。ベテランや新人など作業歴を問わず、定期的に知識をアップデートする機会があるか聞いてみるのも一つの手です。
フォークリフト作業者がヘルメットを使用しているか
フォークリフト運転の際はヘルメットの着用が義務付けられています。しかし現場によっては、ヘルメットなしで運転している場合も。これは安全に対する意識が非常に低いと言えるでしょう。
事故防止のためには一人ひとりの心がけが大切です。少しの気の緩みが大事故に繋がるため、安全に対する意識が高い倉庫を選びましょう。
まとめ
倉庫は大切な商品を保管・管理する重要な物流現場です。実際に現場を見ることで、商品がどのように扱われているのか確かめられます。倉庫の雰囲気や設備状況、作業スタッフの対応を事前に確認しつつ、倉庫選びの参考にしてください。