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倉庫の賃貸と寄託の違いとは?知っておくべきポイントを解説
倉庫探し入門

倉庫の賃貸と寄託の違いとは?知っておくべきポイントを解説

2022.06.08

目次
  1. 賃貸借契約と寄託契約の違い
  2. 賃貸借契約がおすすめのケース
  3. 寄託契約がおすすめのケース
  4. 最適な倉庫を探す方法

賃貸借契約と寄託契約の違い

倉庫を利用する方法は大きく分けて、賃貸と寄託(きたく)の2種類の方法があります。

賃貸は倉庫の所有者と賃貸借契約を締結して倉庫を借りる方法です。倉庫を一棟丸ごと借りたり、倉庫の一部を借りたりすることができます。賃貸借契約では、物資や荷物を保管するためのスペースを借りられるだけで、商品のピッキングや入出庫などの庫内作業は自社で行うか、外部の業者に委託することが必要になります。

寄託は倉庫会社と寄託契約を締結して営業倉庫を利用する方法です。保管料を支払うことで物資や荷物を預かってもらえ、別料金を支払うと、商品のピッキングや梱包、入出庫などの庫内作業を代行してくれる場合もあります。

注意点として、寄託契約で利用できる倉庫は営業倉庫に限られており、営業倉庫以外の倉庫を寄託で利用することはできません。営業倉庫ではない倉庫を営業倉庫と偽って無登録営業をしている業者がいるので、寄託で倉庫を利用する際は、登録された営業倉庫かを必ず確認するようにしましょう。

(写真:iStock)

営業倉庫とは、倉庫業法の規定に則り、国土交通大臣の登録を受けている倉庫を指します。倉庫の施設や設備は倉庫業法が定める厳しい基準をクリアしており、防水性や防湿性、耐火性などが優れています。さらに、営業倉庫は原則として保管する物品に対する火災保険の付保が義務付けられるなど、安全な環境で安心して大切な荷物を保管できることが営業倉庫の最大のメリットです。

営業倉庫を開設するには、倉庫業法が定める厳しい基準を満たしていると認められ、登録されてはじめて、営業倉庫として倉庫業を営むことが可能になります。営業倉庫の開設後は、寄託で第三者から物資や荷物を預かり、その対価として保管料を受け取れます。さらに、庫内作業の代行などのサービスを提供すると別料金を徴収でき、収益の拡大が図れます。

営業倉庫以外の倉庫で寄託契約を結ぶことは倉庫業法で禁止されており、無登録で寄託契約を結ぶと、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金刑に処せられます。しかし、営業倉庫以外の倉庫を賃貸で第三者に貸すことは可能で、寄託契約でなければ問題ありません。

このように、倉庫を利用する方法は賃貸と寄託がありますが、どちらを選べば良いのかはケース・バイ・ケースです。倉庫を利用する目的や期間などによって、賃貸にするか寄託にするか、適切な判断をすることが必要です。

賃貸借契約がおすすめのケース

長期間にわたって広めのスペースを確保して大量の荷物を保管したい場合は、賃貸借契約を締結して倉庫を丸ごと一棟借りるのがおすすめです。ただし、例外もあるので、全てのケースで賃貸がおすすめであるとは限りません。

倉庫の使用期間については、倉庫の賃貸借契約は契約期間が3年以上であることが多く、3年以上の長期にわたって広めのスペースを確保して大量の荷物を保管したい場合は、寄託よりも賃貸の方が有利になることが多いでしょう。

また、賃貸だと倉庫内の棚などは自由に設置できるので、倉庫内を好みのレイアウトにして大量の物資や荷物を保管できます。

ただし、倉庫の使用方法については賃貸借契約を締結する際に決められた事項を遵守しなければならず、契約の内容に基づいて使用することが必要です。退去時は原状回復義務が生じ、新たに設置した棚などは全て撤去して、借りた時の状態に戻さなければなりません。

また、賃貸の場合は保管している荷物の出し入れはいつでも自由に行えます。休日に荷物の出し入れが必要な際も、賃貸だと日時に関係なくいつでも行うことが可能です。寄託だと倉庫会社の営業時間外は原則として荷物の入出庫ができないため、日時に縛られず、いつでも自由に荷物の出し入れをしたい場合は、寄託よりも賃貸をおすすめします。

(写真:iStock)

なお、賃貸の場合、庫内作業を担当する作業員は自社で確保する必要があります。一方で、寄託では別料金を支払うことで庫内作業を代行してもらえますが、大量の荷物の保管がメインで、入出庫作業を行う作業員が極めて少人数で済むのであれば、寄託よりも賃貸の方が有利になることが多いでしょう。

入出庫作業を毎日継続して大量に行う場合、寄託を検討することが多いかもしれませんが、賃貸で倉庫を借りて、作業員を自社で確保する方がコスト的に有利になる場合もあります。作業員が大量に必要な場合は、寄託と賃貸の両方のケースをシミュレーションして判断しましょう。

寄託契約がおすすめのケース

倉庫を利用する期間が3年未満で、倉庫を丸ごと一棟借りるほどの荷物量ではない場合には寄託契約がおすすめです。寄託の最大のメリットは、保管する荷物の量にあわせて倉庫が利用できること、また、庫内作業も含めて業務を委託できる点です。

利用期間中に荷物量の変動がある場合にも、3期制と呼ばれる期間ごとに料金を設定する方法で料金の交渉が可能なため、季節や時期によって在庫が大きく変動する場合は特に便利に使えるでしょう。

また、大切な荷物を安心して保管したい場合も、寄託で営業倉庫を利用するのがおすすめです。寄託で利用できるのは営業倉庫だけであり、営業倉庫は倉庫業法の厳しい基準を満たしているので、大切な荷物を安心して保管できます。

荷物を保管中に火災が発生した場合も、営業倉庫なら火災保険に必ず加入しているので、荷主は補償が受けられます。営業倉庫は倉庫業法で荷主の利益を守り、トラブルを回避するための対策が随所に講じられており、安心して利用できます。

最適な倉庫を探す方法

(写真:iStock)

ここまで、倉庫を利用する方法として賃貸と寄託の違いを説明してきましたが、どちらの方法で倉庫を利用するにしても、立地条件や用途、目的に合致する倉庫を探すことが必要です。倉庫を利用するのが初めての場合は、どのようにして倉庫を探せば良いのかわからず、不動産会社や倉庫会社にどのように問い合わせをすれば良いのかもわからないこともあるでしょう。

特に寄託で営業倉庫を利用したい場合は、無登録営業を行っている倉庫会社も存在するため、倉庫会社の選定を間違えると取り返しがつかない事態になることもあります。

営業倉庫を利用するために寄託契約を締結したつもりが、実は営業倉庫ではない自家用倉庫を賃貸借契約で借りていたというような事例もあり、このようなトラブルに巻き込まれると大きな不利益を被ってしまいます。

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