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冷凍倉庫とは?仕組みや温度帯について解説
倉庫探し入門

冷凍倉庫とは?仕組みや温度帯について解説

2022.12.28

コールドチェーンの発達にともない、冷凍倉庫の需要も増加しています。

食品を中心に保管されている冷凍倉庫は、他の倉庫の運営とどのような違いがあるでしょうか?この記事では、冷凍倉庫の特徴や仕組み、保管する温度帯、保管される荷物、メリット・デメリットを解説します。

目次
  1. 冷凍倉庫の温度と保管される荷物
  2. 冷凍倉庫の仕組み
  3. 冷凍倉庫のメリット・デメリット
  4. マグロを保管する際に求められる冷凍倉庫のスペック
  5. まとめ

冷凍倉庫の温度と保管される荷物

冷凍倉庫とは、一定の温度で管理される倉庫の中でも、-18℃以下の温度帯で保管される倉庫を指します。

大きな括りで見れば、10℃以下で保管される倉庫はすべて「冷蔵倉庫」とされますが、その中でも特に低温で保管される倉庫を冷凍倉庫と呼ぶ場合が多いです。

商品にはそれぞれ保管温度帯が決められており、保管温度帯の区分には下記の3つがあります。

  • 常温(ドライ)= 10℃~15℃(または20℃)
  • 冷蔵(チルド)= -5℃~5℃
  • 冷凍(フローズン)= -15℃以下

常温倉庫

常温倉庫とは、倉庫内の温度調整を行わない倉庫のことです。

特徴として温度管理を行わない分料金が安いこと、さまざまな広さの倉庫があることが挙げられます。一方で季節により温度や環境が変化しやすく、温度が夏は高く冬は低い傾向にあるのが懸念点です。

そのため、常温倉庫は温度や湿度の変化による影響を受けにくい金属製品・機械部品・陶器・ガラス・家具・建築資材などの保管で利用されています。

冷蔵倉庫

冷蔵倉庫とは、10℃以下の温度帯で管理する倉庫を指します。保管する商品に合わせて、きめ細かい温度管理ができるよう、倉庫業法にて次の7つの等級に分類されています。

  • C3級:-2℃~10℃
  • C2級:-10℃~-2℃
  • C1級:-20℃~-10℃
  • F1級:-30℃~-20℃
  • F2級:-40℃~-30℃
  • F3級:-50℃~-40℃
  • F4級:-50℃以下

後述する冷凍倉庫も冷蔵倉庫に含まれますが、一般に冷蔵倉庫と呼ぶ際はC1級からC3級(チルド)を指し、F級(フローズンもしくはフリーズ)は冷凍倉庫と分けて呼ばれています。

冷蔵倉庫での保管が適する商品は、乳製品・鮮魚・精肉・お菓子などの低温で管理が必要かつ冷凍には適さない食品です。

冷凍倉庫

先述の冷蔵倉庫の中で、-18℃以下に管理されるものを冷凍倉庫と呼びます。

冷凍倉庫の特徴は、商品を凍らせて保存することで、鮮度を損なわず長期間保存ができることです。一方で結露や霜が発生しやすく、それによって雑菌の繁殖リスクがあることが懸念点。そのため冷凍倉庫では湿気対策が非常に重要です。

冷凍倉庫で保管される荷物としては、冷凍食品や魚介、肉、アイスクリームなどの食品や特殊な医薬品が挙げられます。

冷凍倉庫の仕組み

冷凍倉庫は庫内を-50℃〜-30℃に保つための特殊なエアコンを装備しています。

また、冷凍倉庫を開け閉めする際に外気温との差を解消するためのドッグシェルターも不可欠。さらに超低温冷凍倉庫では、倉庫と外部の間に準備室を設けることで、より厳重に外気の流入を防ぎ、庫内の温度を保っています。

このほか倉庫内の異常を知らせ、外に救助を求めるための通報機や異変をすばやく察知できるよう温度計などが設置されています。

冷凍倉庫のメリット・デメリット

メリット

冷凍倉庫のメリットの大きなメリットとして「長期保管ができること」「廃棄ロスを削減できること」が挙げられます。

食品のように、常温では品質が劣化してしまう商品でも、冷凍倉庫なら品質を落とさずに保管でき、消費者に鮮度を保ったまま届けることが可能です。

商品の保存期間を長くできるため、全体的な廃棄量を減らすことにも繋がっています。

例えば発注のキャンセルなどで商品を発送できない場合でも、冷凍倉庫であれば一定期間は品質を落とさず保管ができます。また、仮に災害などで流通がストップする事態があっても、食品を劣化させずにストックできるのがメリットです。

デメリット

冷凍倉庫のデメリットとして

  • 設備投資などのコストがかかること
  • 冷凍焼けのリスクがあること
  • 大規模停電で損失が大きくなるリスクがあること
  • 作業員の負担が大きいこと

が挙げられます。

空調設備や冷凍設備、先述のドッグシェルター、その他倉庫業法に定められた設備を整えるだけでも、莫大な経費が必要です。さらに、倉庫内を24時間低温に保つための運転コストも軽視できません。

加えて、冷凍倉庫では外気温との温度差が大きいことから、作業員の身体に負担がかかることも知られています。

マグロを保管する際に求められる冷凍倉庫のスペック

冷凍倉庫の中でも特に低い温度帯で保管されるマグロ。通常の食品の冷凍保管は-20℃〜-30℃前後ですが、冷凍マグロの多くは‐50℃以下の超低温(F4級)で保管されています。

その理由は、-40℃程度ではマグロの脂が酸化してしまうことに加え、マグロには時間が経つと変質しやすい「ミオグロビン」という物質が多く含まれているためです。

ミオグロビンが変質(メト化)すると、マグロは黒ずんでしまい、味も落ちます。‐50℃以下超低温で保存すればメト化を防げるため、超低温の冷凍倉庫が利用されているのです。

これら超低温倉庫の冷媒として、かつてはR22などのフロン系の冷媒が使用されていました。しかし1987年のモントリオール議定書、1997年の京都議定書などの国際ルールにより、環境負荷の高いフロンなどの撤廃が求められたため、他の冷媒への切り替えを余儀なくされました。

これにより現在ではCO2やアンモニアなどの自然冷媒を利用するシステムが次々と開発されています。しかし、既存の倉庫には新設備を導入するコストが高く、設備投資が新たな課題となっているようです。

まとめ

冷凍倉庫とは倉庫内の温度が-18℃以下で管理されているものを指します。冷凍食品や魚介、肉、アイスクリームなどの保管で使用されており、長期保管できるのがメリットです。

最新鋭の冷凍倉庫を基盤に、コールドチェーン市場は今後も拡大すると推察されます。ただし冷凍倉庫の設備を用意し運営するには多額の経費が必要です。一時的に必要な場合であれば自社で用意するのではなく、外部の冷凍倉庫へ預けるのも1つの手段といえるでしょう。

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