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倉庫は買うor借りる?用途ごとの選び方とメリット・デメリットを解説
倉庫選びのポイント

倉庫は買うor借りる?用途ごとの選び方とメリット・デメリットを解説

2022.12.28

物流の配送拠点を設けたい場合や在庫を保管したい時に検討されるのが「倉庫」。倉庫を利用したい場合の選択肢として、「倉庫を購入する」または「倉庫会社と契約して借りる」の2パターンあります。一時的に少量の荷物を預けたい場合は迷わず賃貸を選べても、長期間であったり大量の荷物を保管したい場合は購入と賃貸のどちらが良いか分からないという方も多いのではないでしょうか?この記事では購入と賃貸それぞれのメリットとデメリットについて解説します。

目次
  1. 倉庫を買うメリット・デメリット
  2. 倉庫を借りるメリット・デメリット
  3. 営業倉庫に荷物を保管するという方法も
  4. まとめ

倉庫を買うメリット・デメリット

倉庫を買うメリット

用途は自由

まず倉庫を買えば、所有物ですからその用途は自由です。例えば倉庫の内装を変えたいという場合に誰にも気兼ねなく、必要な機材を搬入して改造できます。また必要な設備も自由に設置可能です。

不動産としての価値

自社倉庫であれば不動産としての価値があります。一部の区画を貸し出して賃料を取ったり、売却して売却益を得ることも可能です。

担保としての価値

銀行などから融資を受ける際に、担保として自社倉庫を設定できます。

減価償却できる

倉庫は資産となるため減価償却でき、経費として計上できます。

賃料の値上げがない

賃貸の場合、貸主の意向で賃料の値上げが発生するケースがあります。ただし自社で倉庫を立てる場合は買い切りのため、周辺地価が上がっても値上げは発生しません。

倉庫を買うデメリット

初期費用が高い

倉庫を買うデメリットとして最も大きいハードルは初期費用が高いという点です。物件価格や造作費用、登記費用、印紙代、不動産取得税など各種費用がかかります。

状況の変化に対応しにくい 

そして一度購入すると状況の変化に対応しにくい点も難点です。将来倉庫が必要なくなった際に貸し出すにしても売却するにしても、すぐに相手が見つかるとは限りません。使わないのに倉庫を保有しているのは、会社にとって大きな負担となります。

維持費がかかる  

倉庫を借りた場合、躯体にかかるメンテナンス費用は貸主負担です。しかし購入した場合は倉庫のメンテナンス等も自社で行わなければなりません。その他にも固定資産税も維持費として必要となります。

倉庫を借りるメリット・デメリット

倉庫を借りるメリット

初期費用が抑えられる 

購入する場合と比べて初期費用を抑えられるケースがほとんどです。賃貸マンションのように敷金・礼金や保証金、火災保険料、仲介手数料などが必要になるものの、倉庫の建設費用より安価です。

状況に柔軟に対応できる

在庫が少なくなったり、倉庫を利用しなくてよくなった場合に賃貸であれば契約解除が可能です。ただし契約内容によっては解約の2か月以上前までに通知する必要がある場合も。通知期間等を考慮しても、購入した場合よりは簡単に手放せるのはメリットです。

庫内作業を委託できる

物流倉庫を利用する場合、仕分けや検品、ピッキングといった庫内作業も委託できます。保管専用倉庫でも、後述する寄託契約などの場合は入出庫作業は倉庫側が行うため自社負担を減らせるのがメリットです。

維持費を削減できる

倉庫を借りる場合、(契約内容によるものの)維持費はかかりません。倉庫の維持に関する費用は、固定資産税を含めて一般的に貸主が負担します。

倉庫を借りるデメリット

用途が不自由

まずは自社の所有物でない以上、自由な用途は諦めざるを得ません。特定の作業などができなかったり、稼働時間に制限があり特定の曜日や時間帯に稼働できないケースがあります。

原状回復が必要

住宅と違って経年劣化が考慮されないため、借りたときと同じ状態に戻して返さなくてはなりません。特にレイアウトの変更や機材の設置などを行った場合などには、原状回復のための費用が必要となる場合があります。

契約更新時は注意

契約更新時に周辺地価の高騰から来年度以降の賃料が値上げされたり、そもそも更新できないリスクもゼロではありません。

営業倉庫に荷物を保管するという方法も

倉庫を借りる場合、賃貸借契約ではなく「寄託契約」を結ぶという方法もあります。これは倉庫業法上で認められた営業倉庫だけに交わせる契約です。営業倉庫は登録制となっており、国土交通省の下の各地区の運輸局への登録を経て初めて、他社の荷物を預かることができます。

賃貸借契約は「宅地建物取引業法」に基づいた、保管スペースを借りる契約です。一方で寄託契約は「倉庫業法」に基づいた、荷物を倉庫会社へ預ける契約です。そのため寄託契約の場合は荷物の保管責任が倉庫会社側にあります。

寄託契約のメリット

倉庫業法は荷物を預ける荷主を保護するための法律です。営業倉庫は倉庫業法で定められた高い基準をクリアしているため、安心して大切な荷物を預けられます。また、入出庫を倉庫会社側で行うため、自社の手から作業が離れるのもポイントです。

寄託契約のデメリット

荷物の保管に関して契約を結んでいるため、荷主が倉庫内に立ち入り作業することはできません。その場合はスペースを借りる賃貸借契約が必要です。また、入出庫料がかかります。

まとめ

長期間使用する場合以外にも、倉庫内で特殊な作業を行ったり機材の設置が必要な場合は購入を検討すると良いでしょう。一方で短期間での利用や荷物が少量の場合は借りるのがおすすめです。倉庫の利用理由が荷物の保管だけの場合は、寄託契約も候補の1つ。倉庫会社が責任を持って荷物を預かってくれます。荷物の内容や用途を考慮しつつ、購入または借りる、借りる場合でも賃貸または寄託、どちらの契約にするか検討すると良いでしょう。

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